English Grammar in Use(イングリッシュ・グラマーインユース)のアメリカ版とイギリス版の違いについて詳しく説明します。
Grammar in Useシリーズは種類が多く、色んなエディションがあります。まず、以下の図を見てもらえばわかりやすいと思います。
そうです。大きく分けて、イギリス英語版とアメリカ英語版があるのです。左がイギリス英語版の9種類、右がアメリカ英語版の2種類があります。
このサイトには、よく「English Grammar in Use アメリカ イギリス 違い」というキーワードでGoogleやYahooで検索して来てくれる人がいます。
イギリス英語版
本家はイギリス版です。出版元のCambridge University Press(ケンブリッジ大学出版)はイギリスの名門です。著者のRaymond Murphyさんもイギリス人です。イギリス版の代表格がこの青い本『English Grammar in Use』です。レベルは中級です。
このEnglish Grammar in Useがあまりにも世界的に有名なので、Grammar in Useシリーズを代表して「English Grammar in Use」と表記されたりしています。こう書いた方が読者にわかりやすいからです(このブログでも意図的にそうしている箇所があります)。でも、正しくは、English Grammar in UseはGrammar in Useシリーズの1つのエディションに過ぎません。
イギリス英語版はレベルで分けると3種類あります。レベル別に色分けされているので、色で覚えておけば簡単です。
- 初級-Essential Grammar in Use
- 中級-English Grammar in Use
- 上級-Advanced Grammar in Use
中級がおすすめです。世界中の語学学校で使われているのは、圧倒的にこのイギリス英語版の方です。
アメリカ英語版
しかし、日本人はアメリカ英語を習ってきているので、アメリカ英語版が気になりますね。だから、検索で違いを調べます。
アメリカ英語版はこれです。『Grammar in Use Intermediate』。
これがイギリス英語版English Grammar in Useの中級と同レベルになります。フィリピン留学なんかにいくと、こちらを教科書に使っている語学学校が多いです。
アメリカ版は初級と中級があります。
- 初級-Basic Grammar in Use
- 中級-Grammar in Use Intermediate
で、どっちがいいのか?という話ですね。
以降で詳しく違いを説明しますが、結論だけ先に書いておきますと、
イギリス英語版、アメリカ英語版どちらでもいいです。クオリティに違いはありません。アメリカ英語版は本家のエッセンスを完全に引き継いでいますし、どちらも世界的に支持されています。
イギリス英語版とアメリカ英語版の違い
学習する上でその違いは重要か?
English Grammar in Useで英語を学ぶ上で、イギリス英語版がいいか、アメリカ英語版がいいかと深く悩む必要はないです。
アメリカ英語版はイギリス英語版の著者Raymond Murphyさんが改編したものですし、重要なエッセンスを取り逃しているということは絶対ないです。
僕はどちらも持っているので内容を見比べてみたのですが、どちらか一方に重要な部分が欠けていたり、一方でしか学べない文法項目がある、という致命的な違いはないです。どちらも優良な英文法書であり、どちらで学んでも学習効果はかわらないです。これは保証できます。
具体的な内容の違い
とはいっても、細かい違いが気になる人もいるでしょうから、いちおう具体的な違いを書いておきます。
イギリス英語版の付録に「American English」という項目があり、そこで双方の内容の違いが詳細に記されていますので抜粋しておきます。イギリス英語版とアメリカ英語版の主な違いは以下の通りです。
【イギリス英語版とアメリカ英語版の主な違い】
- 言い回しの違い
(have a holiday/take a holidayなど) - つづりの違い
(apologise/apologize、colour/color、centre/centerなど) - 文法用法の違い
(現在完了の使い方、shallの使い方など) - 前置詞の用法の違い
(fill in/fill out、at the front/in the frontなど)
選び方の違い
選び方には、少し違いがでてきます。
冒頭の図を見てもらえばわかりますが、アメリカ版にはあまり選択肢がありません。中級か初級かを選ぶだけです。
一方、イギリス英語版には、初級、中級、上級の3段階のレベル分けがあります。またそれぞれeBook付き版とCD付き版、そしてテキストのみ(CD/eBookのどちらもなし)のエディションがあります。自分の学習スタイルを考えて選択することができます。値段的には、eBook付き版が最も高いですが、500円くらいの差ですのでそれほど気にする金額でも無いかなと思います。
強いこだわりがなければ、選択肢の多いイギリス英語版の中から選ぶのがよいと思いますが、どうしてもアメリカ英語にこだわるのであれば、アメリカ英語版(Grammar in Use Intermediate)でもいいと思います。上で書いたように、重要なのは中身。クオリティは全く同レベルです。
イギリス英語を話す国とアメリカ英語を話す国
いちおう、おまけにイギリス英語とアメリカ英語について簡単に書いておきます。
日本人にとっては「英語=アメリカ英語」という認識が一般的ですが、世界でみればイギリス英語に影響を受けた国の方が圧倒的に多いです。イギリス帝国時代に植民地だった国々は全て、イギリス英語の文法や用法、スペルを基本としています。なので世界的には、アメリカ英語は1つの方言で、「アメリカ訛りの英語」という認識となります。
特徴的な発音の違いでいえば、アメリカ英語では”r”を誇張気味に発音するのに対し、イギリス英語はそれほど強く舌を巻かない。逆に、イギリス英語は”t”をはっきり丁寧に発音するが、アメリカ英語では”t”が消失することが多い、などが挙げられます。
【イギリス英語を話す国】
イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、インド、シンガポール、マレーシア、香港、太平洋の島国全般など
【アメリカ英語を話す国】
アメリカ、カナダ、フィリピン
※カナダ人をアメリカ英語でひとくくりにすると怒られるかもしれません。注意してください。